【ネタバレあり】映画『ココ・アヴァン・シャネル』の感想 

映画

『ココ・アヴァン・シャネル』を観ました。

リビングで座っている時間の長い母が

時間を持て余しているようだったので

一緒に楽しめそうかなと思って適当に選びました。

『ココ・アヴァン・シャネル』 あらすじ

フランスの田舎にある孤児院で姉と共に育った少女が

成長して、お針子とナイトクラブの歌手の掛け持ち生活を経て

裕福なエティエンヌ・バルサンの愛人(?)となる。

何不自由ない暮らしとはいえ、退屈で自堕落な生活を送る。

その頃、ボーイ・カペルと出会って恋に落ちて、

なんだかんだあって

世界のココ・シャネルになるまで。

ワーナー ブラザース ジャパン 『ココ・アヴァン・シャネル』 作品情報

『ココ・アヴァン・シャネル』の感想(注意:ここからネタバレあり)

ここから『ココ・アヴァン・シャネル』の感想です。

ネタバレ含みます。

フランス映画らしく、恋愛のお話

私の感覚では、ほぼ恋愛映画ですね。

フランス映画らしく、ラブシーンが多めです。

サクセスストーリーを期待していましたが

仕事に関するエピソードはかなり飛ばされてしまった感があります。

清々しい、ココの自立を目指す姿

孤児院育ちで家庭の温かさをほとんど知らなかったであろうココ。

幼い頃からの貧しさから脱したい一心だったのではないでしょうか。

愛人に囲われる生活を選ぶほどだったのだと感じます。

そんな彼女がボーイとの本気の恋を通して

本当の自分・真に自由な人生に目覚めていく姿は清々しく感じます。

かなり尖った立ち振る舞いや、少し荒々しい感情表現は

知り合いならあまり一緒に居たくないなあという気持ちと同時に

感情自体はその人らしさの表れなんだなという

感覚を覚えました。

何かしら感情表現したり、

自分の感情を認識することは大切なのではと考えさせられます。

受け入れがたい自分からこそ本当の自分を見出すというチャンスを

みすみす逃してはダメだなという気持ちになりました。

激しいネガティブな感情も使いようなんですね。

彼女の偉業

「私は流行を作っているのではない、スタイルを作っているの。」

と訳されるココ・シャネルの名言があります。

映画の中でココを演じるオドレイ・トトゥの装いは

当時の彼女を取り巻く裕福な人たちの中で浮いて見えるのも当然で、

逆に今私たちが生きている今の時代に彼女がいたとしたら

逆に違和感がないだろうなと感じさせるファッションです。

パンツを履いたり、ボーダーを着たり

今でも女性の定番となるスタイルにしたのは

彼女の功績と言っても過言ではないでしょう。

「これはただの流行りではなく、定番のスタイルになる」ということを

見抜く能力に驚かされます。

また、彼女が作り出すスタイルは

彼女の、決して恵まれたとはいえない生い立ちからこそ

生まれたという気がしてなりません。

この映画を観て想像するに

少なくともこの時代頃までのファッションは

裕福な人たちと貧しい人たちを区別するものでもあったと感じます。

飾り立てて華美に見せるだけの機能性のない裕福な人の

(特に女性たちの)ファッションと、

そこそこ動きやすいとしても地味なボロを着続けるしかない貧しい人の服装。

貧しい暮らしも、裕福な暮らしも

両方経験しているからこその気づきが

たくさんあったのではないかと感じます。

また、女性たちの装いが彼女たち自身のものではなく

男性を喜ばせたり、男性を惹きつけたりするためのものとなっていることに

はっきりと違和感を感じたのだと思います。

裕福さを表現したり、

男性を惹きつけるための女性のファッションが

いかに着心地が悪く、

ゴテゴテした飾りがいかに悪目立ちしているかということに気づく感性と

それを表現する行動力を当時持ち合わせていたということは

さすがとしか言いようがありません。

私の愛する、女性のボーイッシュ・マニッシュな

楽ちんで快適な装いも

彼女のような人がいたおかげで今日も楽しめるのだと思うと

ありがたく思うと同時に、

本当の自分(の考え方など)を

自分自身が身につけるもので表現しているのだと考えると

ただ楽ちんなだけではダメではないか…?と

自身を振り返って、身が引き締まる思いがします。

『ココ・アヴァン・シャネル』は、字幕が良い

どんな洋画も字幕で観るのが間違いがないとは思いますが、

テレビで放映される洋画を観ていると

お気に入りの吹替の映画に出会うこともあります。

ところで、両親と洋画を観るときは

最近はすっかり吹替で見るようになりました。

高齢になって、字幕だと字が読みにくかったり

頭に入りにくかったりするようです。

今回も吹替で観たのですが、

フランス人の奔放さがどうしても日本語に馴染まず

違和感が否めませんでした。

歌うシーンなどもやはりしっくりきません。

字幕版で歌のシーンなど少し見直してみましたが、

今回は字幕の方が私はいいと思いました。

まとめ  フランス映画らしいオシャレな恋愛映画

フランス映画らしく恋愛要素が強めですが、

これまたフランス映画らしくオドレイ・トトゥのファッションがオシャレで

ファッション好きの方も楽しめるのではないかと思います。

ココの人柄や内面の変化の様子なども表現されてはいましたが、

仕事面での歩みやら

実話を基にしたものならではのドラマティックなエピソードが

もっと盛り込まれていたら良かったのになと思いました。

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